窓からの子どもの転落を防ぐには、窓柵の形状や隙間、強度、取り付け方など、いくつもの条件を考える必要があります。今回は、そのうち「乗り越え」と「すり抜け」に関わる2つの条件を解説します。
窓柵の形状で確認したいこと
- 柵が窓の開口部の全体をふさいでいること。
- 格子の隙間が、子どもの頭や身体のすり抜けを防ぐ幅であること。
開口部の上に空間が残れば「乗り越え」、格子の間に大きな隙間があれば「すり抜け」の危険が残ります。おっとセーフが面格子型の転落防止窓柵にこだわるのは、この2つの経路をふさぐためです。
子どもの転落で注意したい「乗り越え」と「すり抜け」
東京都商品等安全対策協議会が2018年(平成30年)2月にまとめた報告書では、2007年(平成19年)4月以降に、ベランダからの転落で受診または救急搬送された12歳以下の事例が145件確認されています。そのうち入院を要する事例は7割以上で、死亡に至った事例も2件ありました。[1]
この報告書は、手すりの乗り越えや隙間からのすり抜けに加え、部材の脱落など強度に関わる事故にも触れています。転落の原因は1つではありませんが、今回は窓柵の形状に関わる2つの経路に着目します。
調査対象はベランダであり、この件数を窓からの転落事故の件数として扱うことはできません。ただ、窓の対策を考えるときにも、上を越えられる空間や、身体が通る隙間を残さないという視点は重要です。
考えるべきは「柵があるかどうか」だけでなく、その柵が、乗り越えとすり抜けの両方に対応しているかどうかです。
高さで止める柵には、乗り越えの経路が残る
窓の下半分を覆う柵や、バーを1〜2本渡した手すりのような対策を見かけることがあります。こうした形状では、柵やバーの上に、乗り越えにつながる空間が残る場合があります。
子どもの身体能力は成長とともに変わります。設置したときには届かなかった場所に手が届くようになったり、踏み台になるものを自分で運んできたりすることも考えられます。
「今は届かない高さだから大丈夫」という判断だけでは、成長や周囲の環境の変化に対応できません。柵の高さだけでなく、上部の空間、足がかり、近くにある家具まで含めて確認することが大切です。
バーが付いていても、確認したいポイント
転落防止バーの用途や性能は、製品・設計によって異なります。「バーがあるから子どもが乗り越えられない」とは限らないため、子どものよじ登りや乗り越えへの対応も確認しましょう。
おっとセーフは、窓の開口部を全面ふさぐ
おっとセーフは、対応する窓に正しく取り付けることで、ガラス戸を開けたときの開口部全体を格子で覆う構造です。腰の高さで止める柵とは異なり、柵の上に乗り越えるための空間を残さない設計にしています。
「今の身長では届かない高さ」に頼るのではなく、開口部そのものを覆う。この考え方が、面格子型という形状につながっています。
室内側に転落防止バーが付いている窓にも、基本的には設置できます。ただし、窓の寸法やレールなどの条件を満たす必要があります。詳しくはおっとセーフを設置できる窓のチェックをご確認ください。
開口部を覆う形状に加え、適切な採寸と固定が必要です。取り付け前に設置方法と外れ止めビスの確認手順もご覧ください。
格子の隙間は9cm以下。その根拠は?
もうひとつの経路が、格子の隙間からのすり抜けです。おっとセーフは、横格子の隙間を9cm(90mm)以下にして製作しています。
当店がこの寸法の根拠としたのは、東京都の「子育てに配慮した住宅のガイドライン」と、それを解説する東京都商品等安全対策協議会の報告書です。[2][3]
110mmと90mmは、どう違うのでしょうか
2018年の報告書では、寸法の考え方を次のように整理しています。
頭の通過を防ぐ考え方
110mm以下
BL基準の格子間の隙間について、子どもの頭が通らない幅として説明されています。
さらに安全性に配慮
90mm以下
BL基準では手すり下部の隙間に、身体が通らない幅として採用。東京都のガイドラインは格子間にもこの寸法を推奨しています。
そのうえで報告書は、手すりの隙間を110mm以下とし、より安全性を高めるため90mm以下とすることも検討するよう提言しています。[2]
つまり、頭が通るかどうかだけでなく、身体の通過も考慮することが大切です。おっとセーフは、このような安全性への配慮から「9cm以下」を採用しています。
9cmは「実際に空いている隙間」の寸法です
資料の「内法寸法」とは、格子の中心から中心までの距離ではなく、部材の内側どうしの距離を指します。また、90mm以下は東京都の推奨値であり、すべての窓柵に一律に課された法定寸法という意味ではありません。
ここで紹介した資料は主に住宅の手すりを対象としたもので、おっとセーフ自体の安全性を認証する資料ではありません。隙間の寸法だけでなく、開口部の覆い方や強度、固定状態もあわせて考える必要があります。
なお、この格子間隔は転落防止を目的とした寸法です。ペットの脱走防止など、さらに狭い間隔をご希望の場合はオプションで対応できます。公式LINEを友だち追加して、格子間隔を相談することもできます。
この形だからこその制約
開口部を全面ふさぐ構造には、できないこともあります。購入前に、次の点をご確認ください。
掃き出し窓には設置できません
おっとセーフが対応するのは、所定の条件を満たす引き違いの腰高窓です。開口部を覆うため、設置部分を人が出入りすることはできません。掃き出し窓は対象外です。
また、腰高窓でもガラス戸の寸法やレールの仕様によっては設置できません。「引き違い窓だから取り付けられる」と判断せず、設置できる窓の条件を確認したうえで、指定の採寸方法に沿って計測してください。
防犯機能はありません
格子で窓を覆うため防犯対策にも見えますが、おっとセーフには、外からの侵入を防ぐ防犯機能はありません。大人であれば取り外すことができる構造のため、防犯目的での購入はお控えください。
まとめ|開口部の覆い方と隙間を、セットで確認
今回は転落防止窓柵の専門店として、おっとセーフの形状に関わる2つの条件を紹介しました。
- 窓柵の形状では、乗り越えとすり抜けの両方への対策が大切です。
- 柵やバーの上に空間が残る場合、子どもの成長や足がかりによって、乗り越えにつながる可能性があります。
- おっとセーフは、開口部を全面覆い、上に乗り越える空間を残さない面格子型です。
- 格子の隙間は9cm以下。東京都のガイドラインや報告書が、安全性向上のために挙げる寸法を採用しています。
- 条件を満たす引き違いの腰高窓専用です。掃き出し窓には設置できず、防犯機能もありません。
この2つの条件に加え、窓柵が外れたり壊れたりしないことも重要です。設置後は、固定部の緩みやガタつきがないか確認しましょう。次回の記事では、窓柵の「強度」について解説します。
参考資料
- 東京都商品等安全対策協議会(2018年2月)「子供のベランダからの転落防止のための手すりの安全対策」「はじめに」。事故件数の出典を見る(PDF・2ページ目)
- 同報告書、冊子127ページ「手すりの各部材間の隙間についての子供のすり抜け防止」。110mm・90mmの説明を見る(PDF・132ページ目)
- 東京都「子育てに配慮した住宅のガイドライン」。東京都の公式掲載ページ。本記事で紹介した推奨寸法は、上記報告書の冊子44ページ(PDF・49ページ目)に掲載された2016年2月版の解説でも確認できます。